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こんなふうにやっています

名古屋YWCA美術ガイドトボランティアの活動の様子をご紹介いたします。
美術ガイドボランティア
2014年以降については、名古屋YWCAのブログ NAGOYA YWCA TODAY で、
活動の様子をご覧いただけます。
《グループのあゆみ》からブログへジャンプできます。】

過去の活動の様子
♪2013.05 鑑賞バスツアー『駒ヶ根高原美術館と野村陽子植物細密画館への旅』
♪2012.03 三重県立美術館鑑賞バスツアーに参加して
♪2010.07 「ヤマザキマザック」美術館を訪ねて
♪2009.10 「佐川美術館」秋の観賞バスツアー
♪2008.07 岐阜県美術館 「いま、日本画は−遠き道 はて無き精進の道程−」展 鑑賞ツアー
♪2008.04 春のバスツアー(パラミタミュージアム)を訪ねて
♪2007.09 "色いろ鑑賞会"報告
♪2006.11 秋野不矩美術館と万葉の森公園を訪れて
♪2006.08 盲学校生のための鑑賞会
♪2005.11 小牧市立桃陵中学校総合学習 『福祉体験講座』


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2013年5月 鑑賞バスツアー『駒ヶ根高原美術館と野村陽子植物細密画館への旅』
 5月30日の朝、梅雨の曇り空から雨が降らないように願いつつ、集合場所の本郷でバスに乗り込んだ。総勢27名、中央高速道路を駒ヶ根に向かった。 11時ごろに黒い屋根を持つ大きな灰色のモダンな建物の駒ヶ根高原美術館に着いた。入り口を入るとホールの先には2階への階段が続き、高い天井は傾斜していて、明るい光が差し込んでいた。

【写真説明】中央アルプスをイメージして造られた駒ヶ根高原美術館に到着

 まず初めに、学芸員の方から美術館の説明があった。主に現代美術を展示していて、池田満寿夫、藤原新也、草間弥生、竹下夢二、ロダンなどの作品があるとのこと。美術館の特別な配慮で、瀬戸剛の5つの彫刻作品に触れて鑑賞することができた。展示の仕方にも個性が感じられる館内を、それぞれのペアでまわった。

【写真説明】瀬戸剛の彫刻を触って鑑賞

 鑑賞を終えてまたバスに乗り、「かんてんぱぱガーデン」に到着。背の高い赤松が並び、桜並木やベリーガーデンもあり、よく手入れのいきとどいた緑豊かな広い敷地の中に、建物が点在していた。まず、レストランで寒天のお料理も入った美味しい昼食をいただいた。
 ガーデン内の野村陽子植物細密画館では、上伊那郡出身の野村陽子さんの実物大植物画を鑑賞した。多くの作品はひげ根から花や葉の模様まで植物全体が細かく描かれていた。たばこの花の絵の前にはルーペが置かれていて、そのルーペで絵を見ると、極細の毛がびっしりと茎や葉に描かれており、その緻密な描写に息を呑んだ。


【写真説明】緻密に描かれた百合の絵を見る


【写真説明】ガウディデザインのベンチにどうぞお座りください

 別の建物の中には、山岳写真家青野恭典さんのフォトアートギャラリーもあり、「春風花音」というテーマの展示を楽しんだ。敷地内を散策し、ショップでお土産を購入した後帰途につき、予定どおり5時過ぎに本郷に到着した。 心配していた空模様もときおり小雨が降っただけで、お喋りもはずみ、伊那路への楽しい旅の一日だった。 (K・K記)

 

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2012年3月 三重県立美術館鑑賞バスツアーに参加して
三重県立美術館での至福の一日を過ごさせていただきありがとうございました。 
初めての体験だった《触ってセット》が珍しくもあり、
作品の中の人物の動きや大きさを確かに実感できた気がしました。

触ってセットに触れて実感
【写真説明】触ってセットに触れて実感

それを踏まえてシャガールの『枝』の実物の前に立ったとき
まず感動したのは、色彩の青のすばらしかったことです。
言葉ではうまく表現ができませんが、
あの青が目にも心にもしみこんでくるようでした。
ピカソの『ロマの女』の海の青も網膜に焼き付いています。
作品全体に散りばめられている人物や花束などは、
前もって体験したパズルから想像をふくらませることができ、
あの《触ってセット》は、私たちにとってはとても効果的だったと思いました。

シャガール、フジタを鑑賞する
【写真説明】シャガール、フジタを鑑賞する

 柳原義達の鳩や鴉(カラス)の彫刻にも
触れさせていただけて感謝でした。
ごみを荒らしたり 我が家のお墓の線香立てを何度も
どこかへ持っていってしまう憎らしいカラスも
裏庭に巣をかけて子育てをするハトも
私にとっては迷惑者でしたが、
鴉の彫刻に触れてみて その雄雄しさや 
躍動感が手に伝わってきて感動でした。
鳩の胸のふっくらとした感触も かわいらしくて何度も撫でてしまったくらいです。

柳原義達の彫刻に触ってみる

【写真説明】柳原義達の彫刻に触ってみる

美術館のあちらこちらに置かれていた 
なんとも硬そうにみえる木彫りの大きな椅子。
ガイドの方に勧められて腰をおろしてみてびっくり!
なんてすわり心地がよくてくつろげる椅子だったでしょう。
こんな落ち着ける椅子が配置されていたのも
とても安らげるところでした。

ゆったりと時間をとっていただいた鑑賞でしたので、
感動を受けた作品は他にもまだまだありましたが
自宅に帰っていざ思い出そうとしても、
作者も作品名も思い出せません。
点字の資料でもあれば三重県立美術館の思い出に
残せたのではと思っています。

私たちのために心を尽くして下さった美術館の
学芸員さんを始めスタップの皆様に心から感謝しています。
ありがとうございました。     (竹下百合子記)


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2010年7月 「ヤマザキマザック美術館」を訪ねて
 朝10時30分に美術館入口、アダムの像の前に集合。訪れる美術館はこの4月に名古屋の街中に新しくできたばかりの「ヤマザキマザック美術館」である。地下鉄東山線「新栄町」駅に直結していて、すこぶる便利な場所にある。 鑑賞会のあった7月1日はまだ梅雨の時期であったが、真夏を思わせるような暑い日であった。集合時間前にはすでに全員集まり、これから訪れる美術館に心浮き立ち、賑やかである。

ヤマザキマザック
【写真説明】学芸員に美術館についての話を聞く

 時間になり、学芸員の方に、15分ほど説明を聞く。設立したのはヤマザキマザックという工作機械メーカーで、収蔵品はこの美術館の館長でもある会長の山崎照幸さんが、長年かけて収集した作品である。山崎さんは工作機械を世界市場に広めるため欧米各国を訪れ、ある時パリの画廊で一枚のボナールの絵に出会い、購入。それがきかっけで、フランス美術に強く惹かれるようになったという。ロココからエコール・ド・パリに至る絵画や、ガラスや家具などの工芸作品まで収集は広がる。この美術館はこれらの作品のための美術館である。その空間は、天井から、壁、ソファ、照明、床に至るまで作品と調和している。
 美術館は近代的な白い建物の5階と4階に位置している。1階の入口よりエレベーターで上がる。 5階でエレベーターの扉が開くと、収集のきっかけとなったローズ色のボナールの絵にまず出会う。 美術館というよりも、その当時のフランスの王侯貴族のサロンに招かれたようなそんな雰囲気の展示室である。ワインレッド色の美しい織り柄模様の壁布で、18世紀のロココの時代や19世紀の新古典主義、ロマン主義の絵画が展示されている。高い天井には豪華なシャンデリアが輝き、中央には壁と同じ布地のソファが木の床に置かれている。この展示室で一番大きい絵画は、縦横共に2メートル半近くはあると思われる、ブーシェの「アウロラとケフェロス」、薔薇色の肌のふくよかな女神たちが描かれ、明るい色で美しく装飾された絵である。その他にも神話を題材にした絵画や上流階級を描いた絵画が多い。ドラクロワの「シビュラと黄金の小枝」などのやはり神話に題材された絵画もある。

ヤマザキマザック
【写真説明】ロココ時代の絵画を鑑賞する

 次の間は、地模様のまた違う金色の壁布の部屋で、写実主義、印象派の作品が掛けられている。もちろんソファは壁布と同じ金色。クールベの「波、夕暮れにうねる海」、モネの「アムステルダムの港」などの風景画が目立つ。  三つ目の部屋は、ブルー系の織り柄が縦縞模様の壁布の部屋で、20世紀のエコール・ド・パリの時代などの部屋である。モディリアーニの「ポール・アレクサンドル博士の肖像」、シャガールの「サン=ジャネの村、夜」、ピカソの「マタドール」、その他ユトリロやマリー・ローランサンの絵もある。 金色と水色の部屋にはロダンなどの彫刻もいくつか置かれ、視覚障がいの方はすべて触って鑑賞することができる。そしてこの部屋をでると最初に出会った、ローズ色のボナールの絵の所、エレベーター前に戻ってくる。フランス美術の200年を眺めたことになる。そして次に4階に下りる。
 4階は、淡い緑色の壁布の部屋で、アール・ヌーヴォーのガラス工芸品や家具の階である。 マジョレルなどの書斎机、椅子、化粧台、箪笥、エミール・ガレのトンボのテーブルに、飾り棚など。 どれもこれも美しく曲線で装飾が施されたものばかり。家具の配置もあたかもその部屋にいるかのようである。エミール・ガレのガラス工芸もたくさんあり、ため息がでる。

ヤマザキマザック
【写真説明】年代物のオルゴールを聞く

 家具の中に、1900年作のオルゴールがあり、聴かせていただいた。ドイツ生まれ、フランス育ちの、オランダ(と、聴いた記憶だが、ちょっと不確か)からやってきたオルゴールである。 大きなねじを回し、コインを入れると、心地よい響きの音色が流れてくる。しばし、そのなんともいえぬ音に足がとまる。 みんな釘付け。特別にもう1回、更に特別にもう1回聴かせていただいた。
 鑑賞後は、地下にあるレストランに移動して、皆でランチ。わいわいがやがやと楽しくイタリアン料理をいただき、心も体も満腹。そしてそれぞれ帰宅の途に着いた。
 みなさ〜ん、楽しかったですね! ご一緒できてよかったです。素敵なひとときをありがとうございました。(Y・I記)


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2009年10月 「佐川美術館」秋の観賞バスツアーに参加して
 これ以上はないような秋晴れの中、遠足気分でバスに乗り込みました。 バスの中では愉しそうなみなさんの話し声が飛び交い、途中休憩のパーキングエリアでは、さわやかな風を感じ心が弾みました。 水に浮かぶ美術館だとお聞きして、わくわくしながらこの日を待ちました。これが想像以上のステキな美術館でした。水の音に迎えられて玄関へ向かいました。水面が風で微かにゆれて光っていて、この水と光がこの美術館を際立たせているようです。

佐川美術館
【写真説明】建物の前で学芸員の説明に耳を傾ける

建物の壁の木目模様を指で確かめたり、ケヤキの一枚板に彫られた佐川美術館の文字を指でなぞったりした後に館内に入りました。ガラス張りの広い通路の壁や天井には、建物の周辺に張りめぐらされた水に光が反射してその光が映し出されると聞いて、時間の流れで光の射し加減が変化してとても幻想的。    佐藤忠良館のブロンズ像は、あどけない子供たちの愛らしいしぐさが何ともいえず、思わず笑がこぼれ、心が和みました。バスタオルを巻いて可愛いポーズをとっている子供の姿に手を這わせて、おへそが出ているおなかのふくらみ加減や首をかしげている姿はわが家のアルバムの1ページを見ているような気持ちでした。このブロンズ像の背後や横から部分的に触った時は、Iさんが一生懸命説明してくださっているにもかかわらず、私の頭の中で描いたポーズは全く違っていました。それで、正面に立たせてもらって上から順番に触らせていただき、説明を聞きました。私自身が同じポーズをとってみてそれを手直ししていただいて、目の前の子供のかわいい作品のポーズと重なりました。喜びの一瞬でした。また、全長30センチほどの女の子の像の前で、Iさんにも「触ってみませんか?」とおすすめしました。Iさんは目を閉じて女の子の像に手を触れられた後に、「この子がどんな靴をはいているかなどはわかりにくいですねぇ」と… Iさんと心が通じたような気持ちがしてとても嬉しいIさんの一言でした。

佐川美術館
【写真説明】佐藤忠良作子どもの彫刻を触る

 いろんな形の帽子をかぶった子供たちの姿は、帽子のツバの部分をクルリと上にめくり上げてかぶったり、大きい帽子を真深にかぶったり、また、帽子の部分に光が当たっていたりして。子供たちをテーマにしたブロンズ像は表情豊かで素晴しいものでした。こういう姿は口頭で説明していただいても理解できるのですが、実際に触りながら説明をうけると、帽子のツバの厚さや曲がり具合や、それぞれのかぶり方などがよく解かり大きな感動がありました。また、ミナちゃんという女の子の頭部だけの作品では、一人の女の子が成長していく過程が順番に並んでいて、おでこの形、鼻の形、ほお骨の辺りなど少しずつ大人になっているのが触っていてわかりました。

佐川美術館
【写真説明】佐藤忠良作『帽子・夏』に触れる

 「おおきなかぶ」という大きなレリーフの前では、息子が小学校低学年の頃に国語の本読みの宿題で、この「おおきなかぶ」を読んでいたことを思い出しながら、かぶを引き抜く人や動物の姿を順番に、かぶの葉っぱや人物、動物の盛り上がり具合を一つ一つ手で確かめながら触りました。絵本に載っていたこの絵をこれほど詳しく見たことがなく、あの絵がこんなふうに細かな部分まで描かれていたことを知り感動しました。

佐川美術館
【写真説明】「おおきなかぶ」のレリーフを触る

 平山郁夫館のほうでは、広い空間に大作の3点が展示されているお部屋で、 学芸員さんに説明していただきました。心に響いた絵は「無錫翠煙(ムシャクスイエン)」。 手前から奥へ奥へと広がりを感じる絵で、朝もやを描き表した絵だそうで、早朝、一斉に民家 から炊飯時の煙が立ち上るような絵は、ひと昔前の平和な日本にもこのようなゆったりと時が 流れるような景色があちこちで見られたのではないかと空想しながらその風景を思い浮かべました。 流れるような学芸員さんの素晴しい説明に聞き入ってしまいました。

佐川美術館
【写真説明】平山郁夫の絵の前で、ことばで鑑賞

 顔料や絵を描く時に用いる材料や和紙などの説明も学芸員さんが詳しく説明してくださいました。ニカワや顔料のトルコ石やほたる石、ズッシリと重い鉱石なども実際に手に乗せて、触らせていただきました。とても貴重な体験でした。  
 お昼のお食事もアナゴが入ったちらしずしや「琵琶湖の幸」?がいっぱい並んだ美味しいお弁当でした。焼き栗が小さな小さなカゴに入っていたりして、見た目もとってもステキなもののようで、それが見えないのがなんとも勿体無い(涙)食後のコーヒーの味も美味でした。

佐川美術館
【写真説明】お昼の「うつろい弁当」を楽しむ

 平山郁夫館のシルクロードの沢山の絵は時間が足りず数点見ただけでした。Iさんの絵の説明をもっともっとお聞きしたいと思いました。またの機会を楽しみにしています。    
 この美術館内には授乳室もあると聞いて驚きました。すばらしい美術館ですね。Iさんには、全く見えない私をバス停までお迎えに来ていただき、お食事の際は食べ易いように、また歩く際はカーペットの段差まで気遣っていただきました。ミュージアムショップでは時間をかけていろいろな商品を説明していただき、ご自分のことよりも私のことを優先してくださるこの優しさが伝わって感謝の気持でいっぱいでした。Iさん、大変お世話になりました。ありがとうございました。そして、毎回感じるのですが、美術ガイドボランティアグループのみなさまがペアを組む人だけではなく私たち一人一人に優しい声をかけてくださることがとても嬉しく思います。心優しいYのみなさまと一日ご一緒できたことを心から感謝しています。    
 さわやかな風と水の音やすばらしい絵画と彫刻に触れ、楽しい会話、おいしい食事と盛り沢山の 心満たされるステキな秋のバスツアーでした。  
 Yのみなさま、本当にありがとうございました!
(古庄香代子 記)


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2008年7月 岐阜県美術館
「いま、日本画は ―遠き道 はて無き精進の道程―」展 鑑賞ツアー
 今年の夏を象徴するような本当に暑かった7月24日、岐阜県美術館を訪れた。 『視覚がい者の方にもお楽しみいただけるよう、さまざまな試みも行います。晴眼者、視覚障がい者、ともに日本画に親しむよい機会となることを願ってやみません』という展覧会案内パンフレットに惹かれて、鑑賞ツアーを実施することにしたのだった。 岐阜県美術館には以前から折にふれて訪れており、館長さんはじめ、学芸員、スタッフの方たちが絵画説明のための資料を準備して迎えてくださった。日ごろから視覚障害の方の鑑賞に対し、さまざまな工夫をされている岐阜美術館。今回も絵の特徴を触覚で理解しやすいように立体コピーや、絵をレリーフにしたものなどが用意されていた。 私達参加者は皆、その丁寧で細やかな準備に心打たれ、帰り際には、点字説明文と立体コピーで作られた図録をいただいき、感謝でいっぱいだった。 鑑賞会の後は美術館向かい側の図書館内にあるレストランで恒例のランチ。

 ここでも鑑賞した作品のあれこれについて、話が尽きなかった。 後で知ったが、この日の最高気温は37度を超えていた。 暑かったが、さわやかさが残る鑑賞会だった。(H・K記)
岐阜県美術館
【写真説明】触ることのできる日本画を鑑賞

★参加者の皆様から寄せられた感想★

こんにちわ Y.Tです。
先日は岐阜県美術館でのたのしいひとときをありがとうございました。
今回は一枚の絵をじっくり説明していただけたのと、美術館側のご配慮による、くわしい説明やレプリカにさわらせていただけたことがとても新鮮でした。
「かげのはてに」という若い女性画家の絵にとても感銘をうけました。 説明を聞いているうちに、揺れる木漏れ日がうかんできて、なんだかなつかしいようなどこかでこんな風景に出逢ったようなそんな気がしてました。「いま まさに鳩が飛び立とうとしてる」とききながら 鳩のレプリカにさわったとき鳩の筋肉が手につたわってきたときの感動も忘れられません。
ふくらんだイメージに美術館の方の画家の説明も加わって、この若い画家の絵にもっとあいたいとおもいました。 彫刻にもさわらせていただきました。
父親にかるがるとだかれた気持ちいいくらいまるまるした男の児にはもっとさわっていたかったくらいでした。
帰りに美術館からいただいた素敵なファイルは点字の練習中のわたしにはとても貴重なものです。 毎日触れて点字と絵を楽しんでいます。
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今日は、Yです。
昨日は本当に楽しい一日をありがとうございました。 始めにまず岐阜県美術館の私達視覚障害者に対しての準備、対応の行き届いていたのには、驚くとともに心より感謝しています。 学芸員さんの説明もさることながら、作品の立体コピーや、作者自らの縮小・実物 大コピー・そして立体コピーと、本当に解りやすかったです
。 そして、現代日本画が、今までの私のイメージとずいぶん変わっていたのには驚きました。何でもそうですがやはり時代とともに新しく変化していく部分はあるものですね。
そして帰りには素晴らしいお土産まで頂き本当に良い一日になりました。
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コンバンワ。Oです。
昨日は美術ガイドの皆さんにお世話になり、ありがとうございました。 ニュースでは、昨日の岐阜は37度を越す猛暑だったようですし、今日は38度を 越えたそうです。
その猛暑の中を、私たちのために尽くしてくださったお気持ちに厚く御礼申し上げ ます。
そして私個人としては、あの暑い中を出かけることが出来たという自信がつきました。
また、今の世の中はお金お金とヤケニ騒いでいますが、金銭的な豊かさだけでなく心の豊かさを求めることが大切だと感じました。

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私は稲沢のA.Aといい、先日の岐阜県美術館での日本画観賞でお世話になった者です。
あの日はもったいないくらいの贅沢をさせていただきました。学芸員の方の説明で、作品が益々奥深いものになって自分の中に入ってきました。
作品ごとにレリーフを用意されたものまであり、感動致しました。 あの38人の大作品を個人所有されておられる方がおいでと聞き、これにも感動しました。 私は目がまだ良かった頃は油絵を描いたりしておりました。
兄は日本画を専攻し、芸術大学で学びました。関心は人一倍あっても、見えないと観賞することはできません。今後もこういった機会がありましたら、是非参加させていただきたいですね。帰りには、とても立派な触図までいただき恐縮しております。
本当にいろいろとありがとうございました。またお会いできます事を願いつつ、失礼致します。ではでは。

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岐阜美術館
【写真説明】レリーフ化された絵を触る参加者


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2008年4月  春のバスツアー
〈パラミタミュージアム〉を訪ねて
三重県菰野町の〈パラミタミュージアム〉を訪ね、お昼には名物とろろ料理をいただく予定のバスツアーは、雨で始まった。

朝9時45分に地下鉄本郷駅前に集合した時には、雨がバシャバシャ音をたてて降っていた。総勢23名、「私が雨女だから・・・」「私の心がけが悪いから・・・」などと謙虚に言い合いつつ、バスで菰野町へ向かった。名古屋からは車で1時間ほど。渋滞もなく美術館に到着。学芸員の丁寧かつ楽しい解説で、池田満寿夫の陶彫「般若心経シリーズ」を鑑賞。大きな堅牢な作品はもとより、小さな壊れやすい茶碗まで触れて楽しむことができた。

昼食は、歩いて2分の自然薯料理屋《茶々》で、名物とろろ御膳。大きなすり鉢にたっぷり入ったとろろを麦ご飯の上にかけていただく。お腹がいっぱいになったところで美術館に戻る。この頃より雨も上がり(やはり皆の日頃の行いがいいから)、各グループの好みでパラミタガーデンを巡ったり、開催中の「瀬戸内寂聴展」、「鯉江良二展」を見たり、サロンでお茶をしながらおしゃべりをしたり・・・
午後3時には美術館を後にして名古屋へ戻り、4時過ぎに本郷帰着。皆様お疲れ様でした。(S・H記)  

春のバスツアー
【写真説明】パラミタミュージアム学芸員から説明を聞く参加者

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★参加者の皆様から寄せられた感想や歌★

おはようございます!
K・Hです 先日はバスツアーに誘っていただき、ありがとうございました。当日の大雨もパラミタミュージアムの感動で心は快晴でした。そして、パラミタミュージアムは思った以上にいい所でした。 貴重な作品を素手で触らせていただける機会はあまりありませんので嬉しく思いました。
10体の僧侶のブロンズ像に触らせていただき、それぞれの手の動作が違っていたり、僧侶の説明や顔の表情などの説明をうけて私の中で一人一人のイメージが浮かびました。陶片に浮き出ている般若心経の中の「空」と「行」の文字も触って触読できたことに感動しました。 佛塔のいろんな作品を触って回るうちに私の中での池田満寿夫のイメージが変わりました。作品それぞれに版画家としての池田満寿夫があちこちに出ていたような気がします。
「茶々」のジネンジョ料理もとても美味しく、珍しい山菜やムカゴも食することができて感動の連続でした。
2階に展示されていたチェルノブイリをテーマにした作品は心を打ち、また、アメリカの軍人墓地をイメージして作られた作品は電球の光の高さで影が動いて不思議な動きをすることをHさんから聞き、私自身が宇宙から見下ろしているような感覚でした。影なんて全盲の私には無縁のものになっていたのですが、光と影の世界が私にも一瞬見えたような気がしました。
寂聴展では寂聴さんの本をよく読むこともあり、とても興味深く鑑賞しました。屏風絵の説明がとてもリアルで自分の目で実際に見ているような感じがしました。私が見えている時以上のものをHさんが説明してくださったような気がします。
また、寂聴さんの手紙を読んでいただいたのですが、とてもいいお声で私一人で聞くのはもったいないような…、もううっとりと聴き入りました。
帰り際の100年前のオルゴールの優しい音色も心に残りました。大好きなオルゴールも聴くことができて、盛り沢山の内容に感動しました。
Kさんの楽しい会話でバスの中の雰囲気が盛り上がって本当に楽しい一日でした。
全く見えない私に美術鑑賞の楽しみを与えてくださった名古屋YWCA美術ガイドボランティアのみなさまに心より感謝します。ありがとうございました!
昨日はリハセンのフロアバレーに参加してきました。そこでYさんとパタミタミュージアムの話で盛り上がり、前日の余韻を楽しんできました。楽しい一日を本当にありがとうございました。また誘ってくださぁい!

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おはようございます。
Y・Tです。 先日はたのしいひとときをありがとうございました。 雨だったのはすこし残念でしたが、とてもいい思い出ができました。 般若心経もありがたさはないように思えるのですが、なんとも不思議な世界でした。Yさんの説明に空想の世界が広がって、シルクロードの砂漠が目にうかぶようでした。 いつもながら、YWCAの皆様の知識の深さのおかげでわたしたちは美術の鑑賞がよりふかく理解できます。ほんとうに感謝の気持ちでいっぱいです。 明日 夫の実家にいく途中で、長野県の賎母にある東山魁夷のとっても小さな美術館によって行こうとおもってます。いまどんな絵が展示されているか楽しみです。 ほんとうにありがとうございました。

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美術ガイドボランティア
【写真説明】池田満寿夫の佛塔を触って鑑賞する。

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こんにちは、K・Mです。 今日は、パラミタ館へつれていって下さり有難うございました。一日いろんな体験ができたことを心から感謝いたしております。 とてもいい思い出が出来ました。

帰りのバスの中でほーっと口をついて出た俳句です。

雨上がり 散策の苑 つつじかな 実は私は、短歌を致してまいりましたので、日記のようにして作った短歌も送ります。

(池田満寿夫さんの晩年の最後の作品に触れて)
荒土(あらつち)の特徴生かす仏塔に そっとなぞらう素朴な感触

椀並べ般若心経一文字の 二百七十八のお椀の中に

陶芸と版画の合体作品に 念を感じつ触れさせ頂く

じねんじょのとろろご膳のだしの良さ つるつる思わず二杯頂く

雨上がる新緑の園に露こぼす つつじ花触れいざなわる幸

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O・Oです。 昨日のパラミタミュージアムへのバスツアーでは、お世話になりありがとうございました。 私が以前作った「般若心経」の、8枚の板に貼り付けたパネルを、写真でご覧いただいたことがあると思いますが、実は最初その1文字1文字を紙でなく、陶板で造りたいと考えていたのです。そのため大変参考になりました。 それと、あのパラミタミュージアムが宗教施設としてでなく、より普遍的な美術館として作られていることが良いと思っています。


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2007年9月 "色いろ鑑賞会"報告
〜メナード美術館「美術館で出会う色」展を見て〜
秋にはまだ早い暑さの残る9月20日、視覚に障害のある方8名、美術ボランティアグループのメンバー9名、合わせて17名でメナード美術館へ向かった。 今回の鑑賞会は、特に色について語り合い、色を感じようと企画された。 10人は、栄のオアシス21から小牧市民病院北までバスで約30分、鑑賞前の心浮き立つ時間はあっという間に過ぎた。他の7人は、各地から直接美術館へ。 始めに、美術館の学芸員の方から、メナード美術館の歴史や今回の展覧会について簡単な説明を受け、資料を受け取り、グループ毎にいよいよ展示室へ。

この「美術館で出会う色」展では、所蔵作品の中から赤・青 ・ 黄・緑・黒の5色に焦点をあてた作品が、色ごとにグループ分けされ展示されていた。 赤といってもワインレッド・シグナルレッド・紅梅色・朱色・紅色などさまざまな赤があることを、表示されていた色見本で確認後、作品を鑑賞していった。 その他の色の作品についても同様に、改めて色のバリエーションの豊かさ、色の持つ深さに驚きながら鑑賞した。

昼過ぎに、まだまだ見たいと、心を残しながら、近くのカフェへ移動。 昼食をとりながら、見てきた作品や色彩談義を楽しみ、午後2時過ぎに帰途に着いた(H.K記)

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★参加者の皆様から寄せられた感想★

今日は、西区の横江です。
今回も楽しい美術鑑賞会にお誘い頂きありがとうございました。
まず初めに今日の感想から書かせて頂きます。街中とは思えないほどの落ち着いた構えのメナード美術館を入って、展示室で最初に、マリノ・マリーニのちょっと粗削りのような木彫りの「馬と騎手」という作品に迎えられて、赤・青・緑・黄・黒と5色に分けられた作品を鑑賞させて頂き、その後、色に関してのお互いの、感想や、思いを話合い、とても楽しい一時を過ごすことができました。 現在の私は、白と黒、光と陰といった状態で、もう色はほとんど識別することができませんが、あらためて、色彩の広がりの深さ、そして色と色のつながり、融合して変化していく色の階層の無限の広がりを考えさせられる1日でもありました。

最後になりましたが、いつもながら、ボランティア会員の皆さんの、私達に対してボランティアというより、美術鑑賞の仲間として接して下さる心使いに感謝すると共に、心より御礼申し上げます。 それでは今後も又このような機会がありましたら宜しくお願いします。

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コンバンワ、大川徹です。
一昨日のメナード美術館では、皆様に大変お世話になりありがとうございました。 あの美術館へ行くのは初めてでしたが、所蔵する作品の中から、テーマ毎に選んで 展示するには適した規模で雰囲気も良かったです。
 
今回の「色別に鑑賞する」という企画展は、 私たち視覚障害者にとっても格好の機会だったのですが、時間が無くて私は「赤」を中心に見ましたが、 それなりに得るところは大きかったです。
グループ鑑賞は、会場の込み具合や、鑑賞する私たちの方にも知りたいことの個人差があって、 なかなか難しいと感じました。私たちのグループでは結局、元の1対1のペアーごとに行動し、 後の食事の時に感想を述べ合うことになりました。

そして色の説明はどのように表現すれば伝わるか、ということについては、 常識的な色名による説明で充分だと思いました。色を特徴的に表現する言葉や、 知りたいキー・カラーに出くわしたときは、後でゆっくり『色の手帳』などで調べればよいでしょう。 ボランティアさんも私たち利用者も、今までどおり気軽にやっていくのが一番だと感じました。

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【写真説明】鑑賞後語り合う参加者たち


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2006年11月
秋野不矩美術館と万葉の森公園を訪れて
毎年楽しみな美術館鑑賞ツアー。
今回は静岡県浜松市の秋野不矩美術館と万葉の森公園を訪れました。 どこへ行こうか、バスを借りようと言い出しついでに幹事となり、あたふたしました。 計画を立てるのは好きですが、きちんと実施までもっていけるか、どきどきしながらも、なんとか当日になりました。
障害のある方7名を含む18名。バスに乗り込むと、まずは順番に簡単な自己紹介。 初参加の方もすぐに和み、おしゃべりとお菓子が行き交い、万葉クイズタイムなど織り交ぜ、ますます親睦が深まったようです。

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【写真説明】秋野不矩美術館の前で佇む参加者

秋野不矩美術館に着くと、曇空がぱっと爽やかな秋晴に。
漆喰の壁と天竜杉で造られた素朴な建物は青空によく映え、私たちを大歓迎してくれました。
最初に館の方から説明を受け、いざ靴を脱いで建物の中へ。
白壁や大理石の床の感触を心地良く感じながら、それぞれのペアのペースで秋野不矩さんの絵を丹念に鑑賞し、あっという間の一時間でした。
小学校の先生時代の繊細な作品から、西洋画に影響を受けたという晩年までのおおらかな作品、お子さんをモデルにした作品や、アフガンやインドへ旅された時の作品が柔らかい色で描かれており、気持ち良い大胆な構図に圧倒されました。どの絵も伸びやかで力強い明るいエネルギーが感じられました。
地域の暖かい応援に支えられ、まっすぐ伸びる天竜杉のように、秋野不矩さんの絵を描く環境は幸せだっただろうなあ。周りの自然とお互い力強く支えあい、どちらもなくてはならない存在のように感じました。

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【写真説明】万葉の森公園で係の方に植物の説明を聞く参加者

万葉の森公園では、万葉集にちなんだ話を係の方が丁寧に説明してくださいました。 その後は、皆さんとても楽しみにしていた美味しい万葉食を頂き、珍しい食材や健康的な味付けに、昔に生きた人々へ思いを馳せながら、わいわい会話が盛り上がりました。園内を歩き、晩秋の見事な紅葉と、緑の葉っぱだらけの椿に冬の始まりの年々遅くなっていることを感じました。 ゆっくり皆さんと絵画や自然を楽しみ、緊張した幹事ではありましたが、足りないところは他の二人の幹事さん始め皆さんがしっかり支えてくださり、充実した1日となりました。
(美術ガイドボランティアグループ S・I)



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2006年8月
「盲学生のための観賞会」愛知県美術館主催
2006年8月24日(木)午前と午後に、盲学校の生徒さんと卒業生のための鑑賞会が愛知県美術館で開かれ、名古屋YWCA美術ガイドボランティアグループのメンバーが鑑賞のお手伝いをしました。 小学2年生から、高校生、大学生、卒業生まで、午前9名、午後3名の生徒さんと付き添いの家族の方たちの参加がありました。
鑑賞したのは、愛知県美術館の所蔵作品の中から、
バルラッハ 「忘我」、「母なる大地U」
ケーテ・コルヴィッツ 「恋人たちU」
ザッキン 「チェロのトルソ」などの彫刻
デルボー 「こだま」
モディリアーニ 「カリアティード」などの絵画
企画展「愉しき家」展から  西野達、乃美希久子の立体作品です。
皆さん彫刻と同じポーズをとったり、展示してある家の中に入ったりして、楽しそうに鑑賞していました。
「美術館にまた行きたい」と思ってもらえたらいいですね

以下鑑賞会の写真です。

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【写真説明】ボランティアと一緒に彫刻を触る女の子

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【写真説明】絵の前で立体コピーを触っている女の子


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2005年11月
桃陵中学1年生総合学習「福祉体験講座」 〜視覚に障がいのある人への美術ガイドの実際〜
2005年11月9日(水)、小牧市立桃陵中学校1年生の総合学習「福祉体験講座」を、 愛知県美術館にて行ないました。 美術ガイドボランティアグループの活動を紹介しながら、視覚に障がいのある人が絵画を見るとはどういうことか、視覚障がいの人がどのように絵画を鑑賞するのかを講義してから、実際に障がいのある方を講師に、生徒さんたちに美術館の絵画を説明してもらいました。 みんな初めての経験でしたが、熱心にとりくんでくれました。

以下は講師のお一人と、生徒たちの感想です。

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【視覚障がいの講師 K.Fさん】
昨日はかわいい中学生と交流できて楽しい時をありがとうございました。
「あなたの見たまま、感じた又でいいから話してみて!」と言ったら、細かい所まで説明してくれました。 一生懸命に伝えようとする姿が私に伝わって嬉しくなりました。
「大人や子ども、沢山の人が道を歩いています。その中には箱を運んでいる人もいます。全体に暗い感じがします・・・」 こんな説明をしてくれた時、学芸員さんが「この箱は棺おけだと思います」と教えてくださいました。 納得です! 全体に暗いイメージを感じとったこの子たちの感性は素晴らしいですね。

見たままを人に説明するのは難しいことだと思います。 この体験がいつか子どもたちの役にたつような気がします。 私もいい体験をさせていただいて感謝しています。

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【桃陵中学1年 Aさん】
私は、「目の見えない人とどうやって絵が楽しめるのだろうか」と疑問に思っていました。 けど、当日視覚障がい者の人と会い、私たちは絵を見て色や物などを細かく説明し、障がい者の方は私たちの言う言葉を感じながら、まるでパズルのピースを埋めていくように聞いてくださり、説明しているこっちも楽しかったです。 障がい者の方に説明する絵は、始め素通りしていました。けど、いざ説明する時になると食い入るように絵を見て自分の気付いた発見を探しました。 こんなに絵をじっくり集中して見たのは初めてで、とても楽しかったです。

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【桃陵中学1年 Bさん】 今まで目が見えない人が絵画を鑑賞するなんて想像したこともなくて、初めて聞いた時はとても驚いたけれど、目が見えなくても「言葉」は残されているのだと気付きました。 実際に体験してみると、思ったより大変で難しかったです。ガイドをする側も、その絵画の細かいところまで説明しようとするから、普段よりしっかり鑑賞できるし、ガイドをしてもらう側も、絵の様子がよくわかります。お互いにいいことがあるから楽しめるんだ、とわかりました。
こんな風に心を通い合わせることが本当の福祉なんじゃないかと思います。



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